初読を中心とした授業提案【中学国語】

国語
この記事で解決できる悩み

・説明的文章、文学的文章の単元って何を教えたらいいんだろう…。
・とりあえず文章を読ませているけど、生徒も成長を実感できていない…。

アオ
アオ

みなさんこんにちは、中学校国語教師のアオです。この記事では説明的文章・文学的文章の単元でどのように授業を進めれば良いのか、実践を紹介します。
テーマは「どの教材でも使える」です!!

なぜ「初読」が大事なのか

国語の時間で最も多いのが、説明文や小説などの「文章を読む授業」です。だからこそ大切だし、生徒に様々な「読む力」「考える力」を身につけさせたいのですよね。

でも、ありがちなのが
「その文章・教材を読解する」ことが目的になった授業です。

教材の特質を踏まえるのは重要なことですが、「このときの人物の心情は?」「ここでの筆者の主張は?」教師と生徒の一問一答で淡々と進んでいく授業は、やる方も受ける方もツラいです…。

こうなってしまう要因として「教師は何回も読んでいるから」というのがあると思うんです。文字通り「教える授業」になってしまいます。

そこで「生徒の文章との出会い」つまり「初めて読んだとき(初読)にどう感じるか、初読でどこまで読み取れるか」が重要なのではないかと改めて感じるようになりました。最終的に入試では初読で解かなければなりませんしね。

ということで、僕は文章を読む単元では、毎回初読で感じたことを書かせるようにしました。以下、ワークシートです。

Wordファイルですので、適宜変更してお使いください。

このワークシートは説明的文章・文学的文章・随筆などのジャンルに関わらず活用しています。以下でねらいを紹介していきます。

ワークシートのねらい

育成すべき資質・能力を明確にする

教材名の他に単元名を書く欄を設けています。「教材を教える」ではなく「教材で教える」ために、「この単元で何を学ばせるか」「育成したい資質・能力」を明確にして単元名に設定しましょう。

例えば…
「論理の展開を捉える」(中1) →構成を意識しながら筆者の言葉や表現に注目させる
「文章を批判的に読む」(中3) →筆者の主張や根拠、内容の信頼性や客観性を吟味しながら読む

のように設定しておくと、教師も生徒もねらいを明確にして授業に臨むことが出来ます。

要約能力を育てる

1つ目の枠は文章を一言でまとめる欄です。要約というよりは「要旨」に近いかもしれません。これを考えることで、キーワードを拾いながら読むことができます。「ただなんとなく読む」を防げます。

「誰でもできるでしょ」と思いきや、意外にそれぞれ表現が異なって面白いんです。根拠を聞いて交流してみましょう。

単元における課題を生徒の声から拾う

2つ目の枠は感想や疑問を書く欄です。ただ感じたことを書くだけでなく、「疑問」や「筆者が伝えたいと考えていること」を想像することで、その後の展開につなげることをねらいます。

文章読解の授業において、「課題設定」はものすごく重要です。こちらが考えてもいいのですが、生徒の声から課題設定できると学びへの意欲も高まります。

一部の声を抜粋して活用してもいいですし、慣れてくれば生徒個人個人が課題設定し、本文の記述や調査をもとに課題解決し、交流する…なんてことも可能かと思います(僕自身はそこまで行っていませんが…)。

学びをその後につなげる

3つ目の枠は「文章の特徴」を書く欄です。授業で取り扱う文章には筆者・作者なりのたくさんの工夫があります。それらを感じ取り、4つ目の枠に書くことで「自分が書く・発表する」に活用することをねらいます。

「書く」単元と「読む」単元は、意識しないと乖離してしまいます。「文章を読んで、それに対する意見を〜」だけでなく、文章そのものから盗めるものも多くあると思いませんか?

特に説明文の工夫を読み取らせ、自分の文章に生かして書こうとすると、1つの「型」として使える表現が増えますよ。

実際の活用例

実際の授業での生徒の記述を紹介します。

1年説明文
単元名 「論理の展開を考える」
教材名「森には魔法使いがいる(教育出版)」

○一言で言うと
【海には森が大切だという話】
【カキの養殖と森のつながりの話】

○感想
【漁師さんや作者さんが何年もかけてやってきたことが東日本大震災後の活動につながってよかった。】
【「森を守る=海を守る」と言うことにどうやって気づくことができたのか】

○文章の特徴
【タイトルが重要な比喩表現になっている】
【「プランクトン」「赤潮」などがわかりやすいように写真やイラストが使われている】
【筆者の経験を中心に語られている】

○今後に生かせそうなポイント
【隠喩を使ってどう言う意味か考えさせる】
【問いかけを使って、読み手に共感してもらう】
【自分の体験を適切に使う】

このように、こちらが教師が問いを提示しなくても、自ら疑問を持ち、課題を立て、読解していくことができます。これまでよりも少〜し主体的な姿が多く見られました。

ワークシートも授業の進め方も改善の余地がありますので、実践を重ねてより良いものにしていきたいと思います!

最後に

この記事では、「初読」をメインにした授業実践を紹介しました。まだまだ改善点は多くあると思いますので、読んで感じたことやより良い実践があればぜひコメントしてください。

よすけ
よすけ

授業も業務も効率化を目指していきましょう!

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