意見文・意見発表は難しくない!〜原稿作成のコツ〜

国語
この記事で解決できる悩み

・意見文って何を書いたらいいかわからない…
・意見発表はどうやって指導したらいいんだろう…

アオ
アオ

みなさんこんにちは,中学校国語科教師のアオです。この記事では「意見文・意見発表について困っている」中学生先生に向けて「これだけ意識すれば大丈夫」なポイントを紹介します。

国語の授業や行事などで「意見文」を書いたり「意見発表」をしたりする学校は多いと思います。自分も初めはどう指導すればいいのかわからなかったのですが,経験を重ねることで「ここが大事なんだ」というポイントがわかってきました。意見文を書く中学生にとっても,意見発表を指導する先生にとっても役立つ記事になっているかと思います。また,最後にそのまま使えるワークシートを添付しています。

作成の流れに沿って説明していきます!

テーマを決定する

実は,中学生にとってはここが1番難しいんですよね。意見発表のテーマは「自由」であることが多いので,それが余計に抵抗感を生みます。

どういうものがテーマになるかというと…
・疑問「なぜこうなんだろう?」
・感動「すごい!自分もこうなりたい!」
・提言「こうしたらもっと良くなるのに」 
・愛情「私の好きなものを知ってほしい!」

などが挙げられます。とはいえ,いきなり考えるのは難しいので,先生方は事前に告知しましょう。

よすけ
よすけ

自分は単元に入る2週間前に,考えておくよう伝えます。早すぎても忘れちゃいますからね。

ちなみに,意見文の鉄板テーマは以下の通りです(オリジナリティを出すのが難しいとも言えます)。

・挨拶の重要性
・家族・友人との関わり
・部活動や学校行事で学んだこと
・環境問題
・最近のニュース
・自分の苦い経験

何よりも「自分が興味のあること」が1番ですし,熱量があればあるほど良い意見文になります。正解はありませんので,「熱く」語れるテーマを選びましょう。

テーマについての自分の考え(主張)を考える

テーマが決まったら,次は「自分が伝えたいこと(主張)」を考えていきます。
ポイントは「具体性」です。

例えば「挨拶」をテーマにどんな主張が考えられるでしょうか。
「挨拶は大事です!」
「〇〇な挨拶をしていきましょう!」○

挨拶が大事なのはみんなわかっているので,「じゃあどうすれば良いか」がオリジナリティを出すポイントになります。

「自分はこうしていきたい(意志)」「こういう風にしていきましょう(勧誘)」を意識すると「主張感」が増しますよ。

聞いている人が「そういう考えもあるか〜」「なるほどね〜面白い!」と思ったら勝ちです!

その主張を支える経験(根拠)を示す

根拠として有効なのが「経験・体験」「データ数字です。

「挨拶は大事なのだそうです」△
「〇〇という経験から,挨拶はすごく大事なのだと感じました」○

経験を元にすることで,言い切ることができます。主張がより強くなります。

「多くの人が大事だと考えています」
「9割以上の人が大事だと考えています」

数字がある方が説得力が増しますね。できるだけ「具体的な数字」を入れましょう。インターネットや本の情報を参考にする場合は,出典も明記しましょう(特に意見文)。

全体構成を考える

意見文の基本は「序論」「本論」「結論」の三段落構成です。それぞれにどんな内容を書いていくか説明します。

序論

序論には「テーマの選定理由や経緯」を書きます。場合によっては「そのテーマに対する主張」を書く場合もあります(詳しくは後述します)。聞き手に「お!?」と思わせるために「書き出し」がすごく重要です。

定番の手法が「セリフで始める」です。
「挨拶をしましょう。」誰もがそう言われた経験があるはずです。私は〜

セリフにすることで聞き手がテーマに入っていきやすくなると同時に,共感しやすくなります。

あとは,「なぜこのテーマにしたのか」「そのテーマに対してどういうことを述べていくのか」明らかにします。問題意識を伝える意識を持と良いでしょう。

本論

本論には先ほど説明した「主張に至る根拠」を書きます。自身の経験や調査したデータを2〜3個用意していきましょう。

「なぜ挨拶が大事なのか,その理由は3つあります。1つ目は〜」

本論の初めに根拠がいくつあるか伝える(ナンバリング)ことで,聞き手が見通しを持つことができます。書き手自身が整理するためにもナンバリングは効果的です。

結論

結論には「主張」を書きます。「以上の理由から〜」「ここまで考えてきたように〜」など,聞き手が「まとめに入るんだな」と感じられる書き出しがいいでしょう。

あとは,最初に考えた主張を述べます。改めて「自分が伝えたいことは明確になっているか」「根拠とつながっているか」を確認してみましょう。書いているうちに「初めに思っていたことと違うかも…」となる場合もあるかもしれません。「考えが一貫している」というのも意見文の大事なポイントですので,しっかり見直しておきましょう。

意見文の「質」を上げるポイント

構成の型

意見文でよく使われる型として「序論と結論に主張を書く」双括(そうかつ)型「結論に主張を書く」尾括(びかつ)型があります。

ここは好みが分かれるところですが,個人的には尾括型推しです。序論で主張がわかってしまったら,聞き手は楽しみが半減しませんか?

序論では「本当に〇〇なのでしょうか」「〇〇でいいのでしょうか」というような形(いわゆる問題提起)の形にしておいて,本論で経験・データを元に検証し,結論で主張を述べる構成がオススメです。

よすけ
よすけ

特に「意見が割れる」ようなテーマの場合は「尾括型」推奨です!

一文を短く

一文が長くなると伝わりにくくなり,「主述のねじれ」が起きやすくなります。一文は2行以内に収めましょう。ちなみに主述のねじれとは↓

「私の将来の夢は父と同じ警察官になることが夢です。」× 「夢は〜夢です」
「私の将来の夢は父と同じ警察官になることです。」〇
   「夢は〜なることです」

書いていると意外と気づかないのですが,幼稚な文に感じてしまいます。気をつけましょう!

ラベリング

一文を短くする上で効果的なのが「ラベリング」です。本論で根拠を挙げる際にナンバリングとともに活用します。

私が挨拶をした方がいいと思う理由は3つあります。↓
「一つ目は,挨拶をするとお互いが気持ちよくなり,コミュニケーションが円滑に進み,その後の会話につながるというメリットがあるからです。」
「一つ目は,挨拶をするとお互いが気持ちいいからです。コミュニケーションが円滑に進み,その後の会話につながるというメリットがあります。」

パッと見ではあまり変わらない感じがするかもしれません。ですが,聞き手からは印象がかなり変わります。ナンバリングの後は簡潔な表現で伝えて(ラベリング),次の文で詳しく説明するように心がけましょう。

反論の想定

自分の意見を押し通すだけでなく、「自分とは違う意見があるのもわかっていますよ。でも、〇〇という点で見ると、やはり〜」のように多様な視点から考えていることも重要です。

まとめ

意見文を書くポイントについて書いてきましたが,参考になったでしょうか。これからの時代,「ある物事に対して自分の考えを持ち,論理立てて説明する力」というのは重要になってくるはずです。初めは抵抗感があるかもしれませんが,慣れてくると「自分の考えが相手に伝わる」「相手が納得する」ことの面白さを感じられるはずですよ!

よすけ
よすけ

難しく考えすぎず,自分の思いを素直に伝えましょう!

最後にワークシートを添付しますので,ご活用ください!

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