品詞?文の成分?中学国語文法のキホンはこれだけ!

国語
この記事で解決できる悩み

・文法問題が苦手…
・授業は理解できるんだけど,テストで解けない…

みなさんこんにちは,中学校国語科教師のアオです。この記事では「文法問題がいつまでたっても解けるようにならないよ!泣」という中学生に向けて,文法の基本を解説します。

中学校の国語文法で学ぶ内容は大きく分けて2つあります。それが「文の成分」「品詞」です。それぞれの特徴を整理し,関連させて覚えることで理解がグッと深まります。それでは早速解説していきます!

なぜ文法問題が解けないのか

中学校の国語の授業では,1年生の始めに「文の成分」を学び,1年生後半で「品詞」の分類を知り,2年生で「品詞」の前半(自立語),3年生で品詞の後半(付属語)を学ぶ,というパターンが多いです。私はここに問題があると思っています。

次の単元を学ぶ際に,前の学習との期間が空いてしまい、関連づけて学習することができず,孤立した知識になってしまうのです。

文法はいかに体系化して(関連づけて一つのまとまりとしてとらえること)学べるかが大事ですので,この記事では表も活用しながら整理してまとめていきます!

「文の成分」と「品詞」の比較

文の成分品詞
単位文節単語
種類5個【主語・述語・修飾語・接続後・独立語】10個【名詞・連体詞・副詞・接続詞・感動詞
  ・動詞・形容詞・形容動詞・助詞・助動詞】
この「単位」が重要です!

文法のつまづきポイントの一つ目が「文の成分」と「品詞」を混同させてしまうことです。

例)は昨日、ラーメンを食べました。 下線部の品詞名を答えなさい。

すぐわかりましたか?正解は「名詞」です。「主語!!」と答えた人はいませんか?ちなみに…

  私は昨日、ラーメンを食べました。 「私は」が主語になります。

つまり、文節で考えるのが「文の成分」単語で考えるのが「品詞」です。これだけでも覚えておきましょう。
【文節で考える文の成分が「〇〇語」であることが、単語っぽさを演出し、間違えやすい要因になっている気もする…(混乱するのでやめます)】

次に文の成分と品詞の特徴をそれぞれ解説します。

文の成分とは

文の成分とは「文を組み立てる要素」です。5種類あって、それぞれが関係しあっています。

主語

「〇〇が〜」に当たる文節です。文の初めに来ることが多いです。

花が咲いた。
僕は夏が好きだ。
・君の部屋も綺麗だ。

※「文頭」「〇〇が」でない場合もあるので注意しましょう

述語

「どうした」に当たる文節です。文の終わりにくることが多いです。

・花が咲いた
・僕は夏が好きだ
・君の部屋も綺麗だ

主語と述語はセットで使われます(主・述の関係)。
主語を探すときは、述語から探すと間違いを防げますよ!
例【述語が「綺麗だ」だから、綺麗なのは「部屋も」だ!】

修飾語

他の文節を詳しくする文節です。

大きな犬がかわいく吠える。

この場合、「大きな」が「犬が」を、「かわいく」が「吠える」を修飾しています。「大きな」「かわいく」修飾語、「犬が」「吠える」が被修飾語(修飾される語)となります(修飾・被修飾の関係)。

さらに修飾語は2種類に分かれます。

体言(人・物)を含む文節を修飾→連体修飾語
用言(動作・状態)を含む文節を修飾→連用修飾語

上の例で行くと
「犬」は体言なので「大きな」は連体修飾語
「吠える」は用言なので「かわいく」は連用修飾語になります。

※修飾語そのものではなく、被修飾語が体言なのか用言なのか考えなくてはならないので注意しましょう。

接続語

あとの文節につながる文節です。

暗いから、見えない。
雨が降っている。だから、体育祭は延期だ。

「だから」「しかし」などの接続詞だけでなく、あとの文節につながる文節と覚えておきましょう(接続の関係)。

独立語

他の文節と結びつかない文節です。

ああ、涼しい風だ。
先生、これはなんですか。

「呼びかけ」や「セリフ」などが独立語になります。
接続語も独立語も文頭に来て、直後に「、」がつくことが多いです。後ろの文節とつながりがあれば接続語、なければ独立語と覚えておきましょう。

品詞とは

品詞とは「単語の種類」を表します。10種類あり、「活用の有無(下につく語によって形が変わるか)」「自立語か付属語か(単独で文節を作ることができるか)」で分類することで4グループに分類できます。

テストで品詞を問われたときに、まず「どのグループかな?」という感覚が重要です。

私は とても お腹が 空いて います。
→「とても」で文節を作っていて、形が変わらないから「活用のない自立語グループだ!」とわかります。

これだけでかなり絞れます。この分類を意識しないと間違えやすい問題もあります。

とても 大きな 声で 泣く。
→「元が『大きい』だから形容詞だ!」は×です。「大きな」は形が変わらないグループです。
グループ分けの意識があると、このような間違いを防げます。

そして「品詞」と「文の成分」を関連させて覚えましょう!

活用のない自立語

活用のない自立語は5種類あります。ポイントは「どんな文の成分を作るか」です!

名詞

○主語・述語・修飾語になる。

は 運動会の 季節だ。 下線部は全て名詞です。
主   修    述  になっています。

連体詞

○連体修飾語になる

大きな 声で 話す。
「声」が名詞なので、「声で」を修飾している「大きな」は連体修飾語→連体詞であることがわかります。

このように1語で文節を作る場合は「品詞」と「文節」どちらか混同しやすいので注意しましょう。

副詞

○連用修飾語になる

ゆっくり 歩く→「どのように」かを表す【状態の副詞】
とても 懐かしい→「どのくらい」かを表す【程度の副詞】
決して そんなことは ありえない→文末とセットで気持ちを表す【叙述の副詞】

副詞は役割に応じて3つに分類できます。

接続詞

○接続語になる

明日は雨だ。だから、体育祭は延期だ。

接続語の前後をつなぎます。「適するものを選べ」もよく出題されますね。

感動詞

○独立語になる

もしもし、佐藤です。

呼びかけ等は独立語です。

活用のある自立語

活用のある自立語は全て述語になり、動作や状態を表します。言い切りの形(元の形)の文末に注目すると「動詞・形容詞・形容動詞」のどれなのかわかります!

動詞

〇言い切りが「ウ段」で終わる【食べる・書く・投げるなど】

動詞は活用の種類が5種類あります。まず、すぐにわかる2種類です。

「来る」→カ行変格活用
「する」「〇〇する(勉強するなど)」→サ行変格活用

その他は「ない」をつけて、直前が「何行・何段」かで判断します。

「走る」+ない=「走ない」→ラ行五段活用(直前がア段)
「落ちる」+ない=「落ない」→タ行上一段活用(直前がイ段)
「食べる」+ない=「食ない」→バ行下一段活用(直前がエ段)

形容詞

〇言い切りが「い」で終わる【かわいい・青い・楽しいなど】

性質や状態を表します。

形容動詞

○言い切りが「だ・です」で終わる【大変だ・きれいだ・鈍感だなど】

形容詞と同じで性質や状態を表します。形容詞と形容動詞はそれぞれが判別できればOKです。

活用のない付属語

助詞

○体言について、主語・修飾語を作ります。

・佐藤くん話す。 「佐藤くんが」は主語
・佐藤くん話す。 「佐藤くんに」は修飾語

どちらも「佐藤くん」という名詞についていますが、つく助詞によって文の成分が変わっているのがわかるでしょうか。日本語では助詞がすごく大事なんですね。

活用のある付属語

助動詞

○文末につくことが多く、意味を付け足します。

父に叱られる。【受け身】
早く起きられる【可能】
話をよく聞かない。【打ち消し】

同じ助動詞でも「意味が複数ある」場合もありますので注意しましょう。

まとめ

文法の基本となる「文の成分」と「品詞」をまとめて解説しました。改めて感じたのですが、まとめると情報量が多すぎたので、説明を省略している部分もあります。

ただ、「文法の基本事項を整理する」という意味では十分かなと思いますので、ぜひ学習に活用してください!

よすけ
よすけ

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